ウジエグループの本気と熱意を伝えたい

 日向地区の生産者の方々との初めての顔合わせの日、特殊肥料"無限"とウジエプライべートブランド"のぼり米"生産の実現に向けて、吉田には生産者の方々に伝えたいことがたくさんあった。

 この豊かな登米耕土の力を活かしたいこと、米を通して地域おこしができたらいいなぁと考えていること、この構想が登米市のブランド力の向上につながり、さらには地域のみなさんが未来に向けて光を感じられるようなものにしたいこと。登米市の活性化は農家の元気なくしてはありえないこと。そしてウジエグループにとってもメリットがある事業に育てたいこと等々、吉田は誠心誠意を込めてプレゼンテーションをした。

 この物語は登場人物の誰が欠けても実現しない構想であるが、何より実際に手をかけて米づくりにたずさわってくれる生産者の方々がいなければ、米づくりはできない。この日の打ち合わせの内容が、その後のプロジェクトにとって、大きな鍵になることは明らかだった。

 

真剣な思いが伝わり、のぼり米四人衆が誕生!

のぼり米プロジェクトメンバー 生産者との多くの集会を重ねる中で、ウジエスーパーグループの熱意が伝わりのぼり米四人衆が誕生した。

 吉田との初回の打ち合わせの数ヶ月前、ウジエスーパーのブランド野菜"かだっぱり"生産農家の佐々木清は、当時の登米市農業園芸課長からコンポストを使った米づくり構想の概略を聞いた。佐々木自身は、すでに環境保全米づくり(※1参照)を行い、環境や健康に配慮した農業への関心は高いものの、化学肥料や農薬を使わない米づくりに対して、うまく生育するかどうか心配な面もあった。

 しかし、安心で安全な食品に対する消費者の関心の高まりも切実に感じていたので、日向生産組合の仲間である千葉胤幸に声をかけた。さらに組合の倉庫の土地所有者の千葉久三男、組合の顧問の子息である袋和人らを誘い、「とにかく話を聞いてみよう」と、吉田との初回打ち合わせに赴いた。会場には、ウジエから吉田と菅原、コンサルタントの加藤氏、相澤製作所からNEWクリーンバイザー(完熟分解処理装置)の開発者である阿部常務と顧問の木名瀬氏、そして、クリエイティブ関連の川内印刷松岡専務という顔ぶれが揃っていた。

 4人の生産者は、吉田の熱意のこもったプレゼンテーションを聴いてウジエグループの本気度を十分に受け取り、登米市にある一企業が自ら新しいプロジェクトを立ち上げて循環型農業に取り組もうとしていることに心を大きく動かされていた。

 吉田が生産者の皆さんにお願いした米づくりの条件は、除草剤の使用は1回だけで農薬散布は行わないこと、化学肥料は一切使わず、特殊肥料"無限"だけを使用すること。これに対する生産者の方々の最大の関心事は、何といっても、最終的に一定量の収穫が得られるかどうか。病害虫が発生したらどうするか、肥料はいつ使用するか、植える米の品種は何にするかなど、夜7時から始まる話し合いは9時、10時にまで及ぶこともたびたびあった。打ち合わせは月1〜2回のペースで開催され、さまざまな意見交換が交わされる中、生産者の方々の不安や疑問は徐々に解消されていった。年が明けた2月には農家4人衆が結集し、のぼり米生産に向けての決意を固め、具体的な準備が進められていった。